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LoRaWAN通信モジュール用ブレイクアウト基板の作成
2021/5/29
CMWX1ZZABZ-078はLoRaWAN通信が可能な920MHz帯長距離無線モジュールです。安価なうえに内蔵MCUのプログラミングが可能で、アプリケーションの小型化が可能です。モジュールは背面パッドのため使い勝手が悪いので、ブレイクアウトボードを作成しました。
回路図
外形寸法図
プリント基板板厚 1.6mm、材質 FR-4
部品構成
- 自作基板
特徴・機能
- CMWX1ZZABZ-078,CMWX1ZZABZ-091 の無線モジュールが手はんだ付けで実装可能
- CMWX1ZZABZモジュール内蔵MCUに関連するすべての信号ピンにアクセス可能(CN1,CN2,CN3にピンヘッダ/ソケットを実装)
- 25 x 50 mm のコンパクトサイズに便利機能を集積
- 3つのユーザLEDを利用可能 アクティブH
- ST-LINK V2 を接続できるSWD-IF端子を用意 (CN2の1~6ピン)
- USBシリアル変換器や外部マイコンのUART信号をCN1の14~17ピンに接続してPCから無線通信をコマンド制御可能
- VBUS電源とバッテリー電源の自動切り替え回路を利用可能*1
- 基板にSMAコネクタを装着可能 (CN8)*2
- オプションで、U.FLアンテナ端子を実装可能 (CN6) *3
- オプションでUSBインターフェースを実装し、MCUのUSBペリフェラルを利用可能 (CN5,R1,D3,C8)*4*5
- オプションでI2Cペリフェラル用のプルアップ抵抗を実装可能(R5,R6)
- オプションでEUI-64準拠のノードアドレスROMを実装可能 (U3,C7) *6
- 使用するアンテナはモジュール製造元の指定アンテナ*7、及び指定条件を満たすアンテナ *8
- 使用するファームウェアはSTMicroelectronics社提供の I-CUBE-LRWAN(日本対応版) *9
- 開発環境は Keil MDK-ARM (MDK for STM32F0, STM32G0, and STM32L0) で動作確認済み*10
組立方法
- 最初にU1のCMWX1ZZABZを取り付けます。予め、CMWX1ZZABZの背面パッドとB0038Bのはんだ付けパッドの両方に、フラックスを塗布します。位置決めは、四隅の四角形のフィディシャルマークの頂点とCMWX1ZZABZの外形の頂点が4箇所で点接触するように調整します。はんだ付けはまず外に出ているパッドを十分コテ先で温めてから、ハンダを溶かし入れる要領ではんだ付けします。予熱が十分でないと背面パッドまでハンダが流れませんので難易度は高いです。最初に熱の逃げやすいGND端子を一つはんだ付けしてつき具合を確認し、問題なければ同じ要領で残りの端子をはんだ付けします。
- その他の部品をはんだ付けします。
補足説明
- 標準の回路ではTCXOの電源(VDDR_TCXO)端子をPH1 に接続していますので、I-CUBE-LRWAN(日本対応版) のサンプルプログラムをそのまま使用すると正常に動作しません。ソースコードを変更しない場合は、J5 のジャンパーをパターンカットし、J6のジャンパーをハンダでショートします。ただしこの場合、MCUのUSBペリフェラルが使用できなくなります。また、USB端子からの電源供給もできなくなります。 USBペリフェラルを使用したい場合は上記のジャンパー変更を行わず、下記の通りサンプルプログラムのソースコードを書き換えます。
- CMWX1ZZABZ-078を使用する場合は、「プロジェクト」-「ターゲットの設定」よりサンプルプロジェクトのターゲットデバイスを変更します。(STM32L082CZYx) CMWX1ZZABZ-091を使用する場合は、変更の必要はありません。(STM32L072CZYx)