Technical Information/GR-CITRUS

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SAMBOU-KANを用いた「プチ電車カー」の作成

プチ電車カーとは、GR-CITRUSで制御する動きモノガジェットです。Wakayama.rbで出たアイデアを形にしました。DCモータードライバを装備しているSAMBOU-KANボードを用いて、ダイソーで売っている「プチ電車」のモーター付き車両を2つ制御し、車のように動かします。

  • ただ動かすだけでは芸がないので、距離センサ、接触センサ、および近接センサを用いて、安全機能(?)を追加しています。
  • 使用しているSAMBOU-KANボード(SAMBOU-KAN-3) はプロトタイプです。リリースバージョンではありませんのでご注意ください。
  • SANBOUKANボードが正式にリリースされました。現時点の最新リビジョンは2.3となっています。(参照:https://github.com/wakayamarb/sambou-kan ) -- 2018-02-08

    P1020799.JPG
 
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構成

 
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パーツリスト

WS001993.PNG
 
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機能

  1. GR-CITRUSを使い、mrubyでモータ制御をプログラム
  2. ダイソーのプチ電車の動力台車2台を制御し、車のように動作させることができる (命名:プチ電車カー)
  3. 距離センサで前方の障害物を検出 (ターンして障害物を回避)
  4. 近接センサで2cm以上の段差を検出 (少しバックしてターンし、落下を回避)
  5. 接触センサで衝突を検出 (少しバックしてターンし、突進し続けることを回避)
 
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作成方法

  • 上記の「構成」および「パーツリスト」で列挙した部材を集めます。他に、ハンダコテとはんだ、およびニッパ、ラジオペンチ、ピンセット等の工具類が必要です。配線用ハーネスも必要です。
  • 最初にSAMBOU-KANボードを作成します。配線図を参考に、各パーツをはんだ付けします。
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    ※参考までに最新のSAMBOU-KANの回路図を添付しておきます。 -- 2018-02-08
    • 回路図のC12 (1000uF 10V)のみ、基板に実装ランドがありませんので、写真と配線図を参考に実装してください。
  • プチ電車からカバーを取り外します。
    P1010905.JPG

  • 2つの台車を台車連結パーツで連結します。(差し込むだけ)
    P1020736.JPG

  • 連結したプチ電車の台車を裏返し、左右それぞれのプチ電車台車の動力輪のゴムタイヤを、内側の2つだけ外します。
    P1020737.JPG

  • モーター配電用ハーネスを2組作成します。(赤が10cm、黒が14cm程度です)
    P1020739.JPG WS001983.PNG

  • 電池BOXのハーネスの先にピンソケットをはんだ付けします。
    P1020740.JPG WS001984.PNG

  • 電池ケースに電池を入れます。電源スイッチをOFFにしておきます。
  • モーター配電用ハーネスを、プチ電車の乾電池の電極部分に装着します。黒ハーネスはマイナス、赤ハーネスはプラスの電極に装着します。マイナス極は電極の板バネにピンヘッダを押し込むだけです。プラス極は、プチ電車の電池装着レバーを開いた状態でピンヘッダを電極の位置に合わせ、レバーを倒して固定します。
    P1020743.JPG P1020746.JPG P1020747.JPG

  • 電池BOXカバーを電池ケースにかぶせ、台車連結パーツの溝に合わせてどんつきまで挿入します。右側のプチ電車の電池装着レバーがじゃまになる場合は、若干レバーを戻して回避します。
    P1020750.JPG P1020752.JPG

  • プラネジで電池BOXカバーにSAMBOU-KANボードを固定します。
    P1020754.JPG

  • 距離センサ、および近接センサのハーネスを作成します。
    WS001982.PNG

  • バンパーユニットを作成します。
    • タクトスイッチをバンパーベースに取り付けます。
    • 近接センサをバンパーベースに取り付けます。(押し込むだけ)
    • 配線図を参考に、各センサの配線を行います。
    • 各センサのハーネス加工を行います。一部は距離センサのハーネスに接続します。
      P1020756.JPG P1020761.JPG
  P1020762.JPG P1020763.JPG P1020764.JPG

  • バンパーをバンバーベースにはめ込みます。
    P1020766.JPG

  • バンパーユニットをプチ電車カーの前側の連結部分にはめ込みます。片方ずつ、カチッと音がするまで差し込みます。
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  • プラネジ2個で距離センサを電池BOXカバーに固定します。
    P1020771.JPG

  • センサのハーネスを、SAMBOU-KANに接続します。P5,P6,J7を、それぞれJ5,J6,P7へ差し込みます。極性に注意してください。
    P1020772.JPG

  • SAMBOU-KANのBATT POWERコネクタ(CONN21)J1にショートピンP1を装着します。
  • SAMBOU-KANのUSBコネクタ(CONN20)J2にショートピンP2を装着します。
  • SAMBOU-KANのR1 コネクタに、3Ω抵抗をつけたピンソケットを装着します。
    P1020775.JPG

  • SAMBOU-KANのPIN2 に、左側のプチ電車台車のモーターハーネスを接続します。
  • SAMBOU-KANのPIN1 に、右側のプチ電車台車のモーターハーネスを接続します。
    P1020776.JPG

  • 電池BOXのハーネスのプラグP3を BATTコネクタ(CONN19)J3に接続します。極性に注意してください。ハーネスの遊び部分はプチ電車の台車の間に押し込みます。
    P1020777.JPG

  • SAMBOU-KANにWA-MIKANを装着します。
    P1020796.JPG

  • WA-MIKANにGR-CITRUSを装着します。
    P1020797.JPG

  • 最後にBATTラインとGND間、および3V3ラインとGND間の抵抗値をテスターで測り、ショートしていないことを確認します。


    以上で組み上げは完了です。
 
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ソフトウェア

  • 自動運転プログラム
    電池BOXの電源スイッチをONにすると直進を開始します。障害物や段差を検出すると左ターンし、直進を継続します。  ※ 動作時はGR-CITRUSのSTARTピンをショートしてください。
      filemain.rb
  • 動作映像
      2017/3/17 YouTube
 
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補足

  • 距離センサの不感領域
    使用している距離センサ (GP2Y0A21YK)は、障害物に近づくと検出電圧が大きくなるのですが、距離が5cmより短くなると検出電圧が急激に小さくなり、正しい検出ができなくなります。これを補うために、バンパーによる接触センサを追加しています。
  • 近接センサの外乱対策
    使用している近接センサ (LBR-127HLD)は、赤外線発光ダイオードとフォトトランジスタを組み合わせたモジュールです。通常の配線では外乱の有無で(例えば部屋の蛍光灯をつけた時と消した時)同じ距離でも検出電圧が大きく変わってしまい、手軽に使用できません。今回はフォトトランジスタのエミッタとコレクタを逆に接続し、検出感度を大幅に下げ、それを補うよう赤外線LEDに大電流(50mA程度)を流して発光強度を高め、外光の影響をほとんど受けないように工夫しています。パルス駆動で点滅させて省電力化を行うべきですが、外付け回路を簡単にするため連続点灯としています。

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